心豊かなバイアグラ
都市計画法と建築基準法の政府改正案が一九九二年六月に国会で成立し、一九九三年六月二十五日から施行されている。
‐改正法では、このうち住遮居系の地域が七種類に細分化された。
移行は施行から三年以内とされているから、一九九六年までに、全国の用途地域の見直しがおこなわれることになっている。
新しい用途地域の指定が終わるまでは、改正以前の両法で定められた用途地域が続くので、ここでは前提に議論を進める。
改正されても日本の都市計画の本質は少しも変わらなかった。
問題だったことは、あとで詳しくふれところで、この八つある用途地域が都市計画の核心だが、その特徴を端的にいえば、いかにも規制が甘いということである。
たとえば、第一種住居専用地域といっても、建物の高度制限は十メートル、あるいは十二メートルで、三階建てのマンションが建つ。
敷地の形状や地盤面のとりかたによっては、四階建ても可能だ。
実際、全国の住宅地で平屋や二階建ての住宅地のなかに、マンションが辺りを圧するように建ち、家並みを乱すばかりでなく、日照権などの問題をおこしている風景はごく当たり前になっている。
また、「住居地域」といっても、住居とは名ばかりで、高層マンションやオフィス・ビルも建ち、ゴルフ練習場までつくれる。
商業地域となれば、二階建てのたばこ屋から超高層のホテルやオフィス・ビルまで併存し、規制があっても無きがごとしである。
話はこれで終わらない。
同じ用途地域のなかにいくつもの容積率があり、その用途には大きすぎるものが多い(表1)。
たとえば、第一種住居専用地域には、五〇%から二〇〇%まである。
この数値がいかに大きいかは、高層団地として有名な東京・高島平団地の容積率が二〇〇%だという事実に照らせば明らかである。
また、商業地域でも四〇〇%から一〇〇〇%まで、地価までが上がって、住民は逃げ出す。
高くなった跡地は企業が手にいれる。
すると、その跡地の規制が緩和され、中高層ビルの範囲が道路から中へ、中へと広がり、さらに住宅地をおしつぶしていく。
まるで、日本の都市計画は、住宅地の首に縄をかけて絞めていくようなものだ。
本来の都市計画なら、ほかの先進国でおこなわれているように、用途地域の指定は「面」を基本にすべきである。
住宅地なら住宅地として広い面積を指定し、周辺の道路沿いもふくめて住環境を守っていく。
日本の都市計画は高いビルを建てることに熱心で、住宅は二の次になっているのも、特徴なのである。
都市計画をさらに注意してみると、用途地域のなかに斜線や網線の部分がある。
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